「トビタテ!留学JAPAN」ってなに?
文部科学省を中心に、様々な民間企業も加わり官民協働で取り組んでいるプロジェクトです。
産業界を中心に社会で求められる人材、世界で活躍できる人材の育成と学生の海外留学を促進することを目的としています。このプロジェクトでは従来の派遣留学制度とは異なる多方面でのサポート体制が整備されていて、幅広い海外留学、充実した奨学金等、事前・事後研修の提供、派遣留学生コミュニティなどがあります。
若い世代が海外留学を通じてそれぞれの可能性を最大限に伸ばし、成長できる機会を支援するものとなっています。
以下、文部科学省のHPより抜粋
「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」は、2014年からスタートした官民協働で取り組む海外留学支援制度です。2020年までの7年間で約1万人の高校生、大学生を「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の派遣留学生として送り出す計画です。
派遣留学生は支援企業と共にグローバル人材コミュニティを形成し”産業界を中心に社会で求められる人材”、”世界で、又は世界を視野に入れて活躍できる人材”へと育成されます。
帰国後は海外体験の魅力を伝えるエヴァンジェリスト(伝道師)として日本全体の留学機運を高めることに貢献することが期待されています。
応募できる人① 大学生
<募集要項>
大学生がトビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムを利用する場合、大学全国コース又は大学オープンコースがあります。まず大学全国コースに応募するためには次の条件を満たす必要があります。
1.日本国籍を有する又は日本への永住が許可されている。
2.本制度で実施する事前・事後の研修に参加する。
3.日本の大学等で卒業又は学位取得を目的とした課程に在籍している。 (注1)
4.日本の在学大学等が派遣を許可し、留学先機関が受け入れを許可している。
5.(独)日本学生支援機構の第二種奨学金の家計基準を満たしている。
6.留学に必要な査証を確実に取得し得る。
7.留学終了後、日本の在籍大学等で学業を継続又は学位を取得する。
8.平成29年4月1日に、30歳以下であり
日本の大学生、大学院生、短期大学生、高等専門学校、専修学校生である。
9.インターンシップ等での報酬や他団体等からの留学のための奨学金を受ける際には、その平均月額が、本制度による奨学金の支給月額を超えない。
10.過去にこの制度の派遣留学生になったことがない。
注1:
海外の大学、大学院へ直接進学される方は対象外となります。研究生も対象外です。また、項目5を満たさない場合は大学オープンコースに申請してください。家計の基準額は、世帯人員や就学者の有無等によって異なりますので、在学大学等に家計の所得がわかる直近の必要書類(源泉徴収票、確定申告書等)を提出し、家計基準を満たすかどうか確認してください。項目7おいて、採択された留学期間であっても、卒業などにより日本の在籍大学等に在籍しなくなった場合は、在籍していた在籍大学等を通じて速やかに機構に連絡する必要があります。そして、派遣留学生の採用を取り消し、既に支給している奨学金等の返納を求められます。
<留学のコース>
トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムは様々なコースを提供しています。応募の際には、留学計画と各コースの趣旨などを勘案し、最も適切と考えるコースを一つ選んでください。複数コースへの併願は認められません。
1.理系分野、複合・融合系人材コース
理系分野、複合・融合系分野における学修、研究やインターンシップ、フィールドワーク、実験・実習などの実践活動を行い、特に環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野、情報通信技術分野、農林水産分野、ものづくり分野において新産業創出につながるような取り組みや実践活動を行い、産業界を中心に活躍する意欲のある学生向けの留学コースです。
2.新興国コース
留学計画の過半の期間、今後成長が見込まれる新興国において、現地語の習得、異文化理解等の学修、研究やインターンシップ、フィールドワーク、ボランティア等の実践活動を行い、産業界を中心に活躍する意欲のある学生向けのコースです。
3.世界トップレベル大学等コース
世界大学ランキングで上位100以内に位置する等、諸外国におけるトップレベルの大学や研究所等において学修、研究やインターンシップ、フィールドワークなどの実践活動を行い、産業界を中心に活躍する意欲のある学生向けのコースです。
4.多様性人材コース
各々の分野や活動において、今後活躍が期待できる人材のためのコースです。
スポーツ、芸術、政治・行政、教育、ファッション等や起業、国際協力などを目指して活動している人材、復興支援活動をしている人材が想定されます。
5.地域人材コース
各地域の企業、地方公共団体、教育機関等が連帯し、地域の活性化に資する独自のテーマを設定し、それに即した海外留学及び地元企業でのインターンシップを組み合わせたプログラム設計になっています。理系分野、複合・融合系分野での新興国への留学、世界トップレベル大学等への留学を希望する方は理系分野、複合・融合系人材コースになります。
<応募方法>
応募は期限までにオンラインで申請を行います。上記5つの申請コースから希望するコースを1つ選びます。さらに、応募者基本情報、留学計画の概要、受け入れ機関情報及びスケジュール、留学計画の実現可能性と自由記述を入力します。
留学計画の申請の際には満たさなければならない要項があります。
1.定められた期間に諸外国において留学が開始・終了する予定になっている。留学開始・終了日は海外に渡航した日ではなく、授業や実習の開始日など実際に留学の内容が始まった日のことです。
2.留学期間は28日以上で、2年以内である。(※注2)
3.留学先の受入機関を確保できる。受入機関が存在しない学生個人の活動等は認めない。
4.留学の目的に沿った実践活動が含まれている。
5.在籍大学等が計画内容を学修活動として認めている。
※注2
3か月以上を推奨しますが、28日以上であれば短期の留学計画でも支援する「海外初チャレンジ応援」枠を設けます。希望者は応募様式の「海外初チャレンジ応援」枠にチェックしてください。項目4の実践活動とは、座学や知識の蓄積型ではなく「実社会との接点」から多様な学びを得ることができる学修活動(インターンシップ、フィールドワーク、ボランティア、プロジェクトベースドランニングに限らず、上記の趣旨に沿う学修活動)のことをいいます。語学留学のみは支援の対象外になります。
採用決定後に、留学の時期や留学先機関等に変更が生じ、留学計画の内容及び支給月数に影響を及ぼすことが明らかになった場合、派遣留学生は在籍大学等を通じて速やかに機構に変更申請の手続きをとる必要があります。自己の都合による計画変更は留学開始前後それぞれ1回ずつのみ認められていますが、変更による支援額の増額は原則として認められません。また、変更後の計画の内容によっては再審査の対象となり、計画変更が承認されず、採用取り消しになる場合もありますので注意しましょう。やむを得ない変更理由や簡易審査に該当する変更内容など制限回数に含まれないものもあります。さらに、簡易審査の変更事由によっては支給に影響するものもあります。
留学先での受け入れ機関は大学に限らず、研究機関、国際機関、インターンシップを受け入れる海外企業など、幅広い機関が想定されています。受け入れ先は、大学等や学生団体等が提供するものを活用、学内の研究室や研究者(教員)個人が持つ人脈ネットワークを活用、企業が独自に提供するものを利用して各自で探していただきます。トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムでは支援企業コラボ海外インターンシップを紹介しています。
自由記述欄には、留学によってどんな自分になりたいのか、困難を克服した経験、トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムに対して自身が貢献できると考えること、その他アピールできるポイントについて記述します。様式等は決まっておらず、自由です。
<選考>
派遣留学生の選考の書類審査と面接は「人物」と「計画」の2つの観点から行いますが、民間企業等の審査員によって行う「人物」の観点が重視されます。求める人材像として、
・世界の人々との交流を通じた経験から学ぼうとする意欲
・社会のために貢献したいという高い志
・自らの志を具体化するための思考力と行動力
・失敗から試行錯誤しながらも挑戦し続ける強い精神力
・様々なことに好奇心、探求心を有し、未知の領域に対しても果敢に挑戦する姿勢
・集団活動においてイニシアチブをとり、周囲を巻き込む能力
上記に掲げるような素養をみにつけようと意欲を有する人材が求められています。また、世界で活躍したい・日本から世界に活躍したいという意欲を有する人材や本制度が実施する研修、派遣留学生ネットワーク等における教育課題等に主体的に参画する人材かどうかも選考の際に審査されます。「計画」では学習活動の目的、内容、発展性、実現可能性の四点に着目して審査されます。
<研修>
事前研修は、派遣留学生が将来のグローバルリーダーとして成長できるよう、留学中の学びを最大化するためにカリキュラムが用意されています。主な内容として、グローバルリーダー講演、留学計画のブラッシュアップ、海外に日本の良さを発信する日本発信プロジェクトなどとされています。日にちは留学の開始日によって変わります。事後研修は留学で得たことを生かすためのフォローアップとして、活動成果の発表や振り返りなどを行います。研修は帰国後1年以内に1回だけ行われます。会場は関東、関西の2か所で開催されます。この事前・事後研修への参加は派遣留学生の義務となっています。不参加の場合や、遅刻や欠席があった場合、派遣留学生としての採用の取り消し又は支援の打ち切りを行うことがあります。
<支援>
トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムによる支援は、奨学金、事前・事後研修の旅費、往復渡航費、授業料があります。それぞれに定められた金額や上限、支援できる範囲等があります。他団体から奨学金を受ける場合は、その支給月額が、本制度による支給月額を超えないことが要件となります。ただ、往復渡航費の一部でも他団体等から支援を受ける場合は本制度による渡航費の支援は一切いたしません。
応募できる人② 高校生
<応募要件>
高校生コースに応募するには以下の条件を満たす必要があります。
1.日本国籍を有する又は日本への永住が許可されている。
2.本制度で実施する事前・事後の研修にすべて参加し、留学生ネットワークに参加する。
3.留学終了後、日本の在籍高等学校等で学業を継続し、卒業を目指すこと。
4.在籍校が派遣を許可し、留学先機関が受け入れを許可している。
5.(独)日本学生支援機構の第二種奨学金の家計基準を満たしている。
6.留学に必要な査証を確実に取得し得る。
7.他団体からの留学のための奨学金を受ける際には、その総額が本制度の奨学金を超えない。
8.過去にこの制度の派遣留学生になったことがない。
9.文部科学省が実施する「社会総がかりで行う高校生留学促進事業」の支援金を受けない
基本的には高校生のみの参加ですが、併設型中高一貫校、中等教育学校の3年生や、推薦入試などで既に入学が決定している高校を通じた応募可能な中学3年生は参加が認められています。
<応募分野>
いずれの応募分野も、留学先の国や地域は自由に選ぶことができます。また、複数の国・地域において活動する計画についても応募可能です。
1.アカデミック(テイクオフ)
海外の語学学校等において外国語の取得を主たる目的とするプログラムに参加するとともに、留学先で外国語を用いて異文化交流を行うものです。
2.アカデミック(ショート)
海外の高等学校や大学等の教育機関に在籍し、外国語を用いて様々な科目を学修したり、教育プログラムに参加したりするものです。例えば、大学等で実施されるサマースクール・サマーキャンプ、現地校へのターム留学があります。
3.アカデミック(ロング)
海外の高等学校に長期間滞在し、外国語を用いて様々な科目を学修するものです。
4.プロフェッショナル
現在学んでいる専門知識・スキル等を生かして、あるいは将来的に携わりたいと考える領域について、実地研修やインターンシップ等を通じて専門知識やスキルの習得を目指すものです。例えば、農場、工場、病院等での実地研修、観光、IT、調理等のキャリアカレッジでの学修、インターンシップがあります。
5.スポーツ・芸術
海外のトレーニングセンター、教育機関、芸術学校等に在籍し、現地指導者の下で技量の向上を目指すものや、現地でのレッスン・トレーニングを伴って大会等に参加するものです。
6.国際ボランティア
海外でのボランティア活動に参加し、体験を通じて国際協力についての理解を深めるものです。
アカデミック(テイクオフ)は学ぶ内容が語学である留学で、アカデミック(ショート)は語学をツールとして科目を学ぶ留学となります。現地の高校や大学内の学校に通う場合であっても、学ぶ内容が語学の場合はアカデミック(テイクオフ)の留学内容になります。各応募分野の規定とは異なる内容で応募した場合、審査対象外になることもありますので、学校のカリキュラムをきちんと確認してください。
<応募方法>
応募に際して必要なものは留学計画書、応募申請書とオンライン申請です。留学計画書は応募生徒・高等学校等で作成します。作成する計画は、以下の5つの要件を全て満たさなければならなりません。
1.定められた期間内に諸外国において留学が開始・終了する計画になっている。
2.諸外国における留学期間が分野ごとに規定する日数を満たす計画である。
3.留学先における受入機関があり、留学計画の内容が応募分野の規定を満たしている。
4.在籍高等学校等の校長が教育上有益と認める
5.アンバサダー活動及び自主活動が含まれている
上記の項目5のアンバサダー活動とは留学先において日本や日本の地域の良さを発信する活動のことを指します。自主活動とは、異文化交流等、エージェントの企画するプログラム以外に行う活動のことで、具体的には現地の高校生と交流を図り共に学ぶ活動や、留学テーマに沿った研究・調査活動等です。
留学計画書の作成後は、学校の教員に提出し、在籍高等学校が残りの書類と共に提出するという流れになっています。
<審査内容>
書面審査及び面接審査の2段階で行います。留学計画においては、5つの要件を満たしているか、目的の明確さ、将来への発展性、留学への準備が適切かなどに着目して審査されます。また、意欲の高さ、社会への貢献しようとする志や物事への取り組む姿勢など人材も審査の対象です。面接は個人又はグループ面接となっています。
<研修>
事前研修はトビタテ!留学JAPANの留学生としての自覚の醸成、留学計画のブラッシュアップや仲間づくりを目的とし行われます。帰国後はエヴァンジェリスト活動(学校、地域などで発表)や事後研修があります。事前・事後に行われる研修への参加は必須となっています。
<支援>
派遣留学生には、事前・事後研修の参加費に加えて授業料、現地活動費、渡航費のための奨学金が支給されます。ただし、奨学金は実際に発生した費用ではなく、留学期間・留学先に設定された定額を支給されます。
<新高校1年生>
内部進学・推薦などで在籍校が決定している中学校3年生は全分野に応募可能ですが、アカデミック(テイクオフ)については「新高校1年生向け」に応募してください。選考は書面・動画審査になります。応募は1名につき1分野となっていますので、ご注意ください。在籍校が決定していない生徒(一般入試による進学等)はアカデミック(テイクオフ)新高校1年生向けのみ応募可能となっています。他の分野には応募できません。