『アドラー心理学入門』岸見一郎

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アルフレッド・アドラー(1870~1937) オーストリア精神科医
教育による人類の救済をめざす。

「人を動かす」の著者デール・カーネギー
「7つの習慣」著者、スティーブ・コヴィ
などがその影響を受けたといわれている。

「全ての事には原因がある」という論理を真っ向から反対する心理学。 教育という観点からみると、原因論では「現状は過去の出来事が原因となっているもの」となり、現状を変えるには過去を変えなければならなくなる。

当然過去は変えられないから、どうすれば目の前にいる子供の手助けができるのだろうと、いつも行き詰っていた。アドラー心理学では「目的」が重要視されていて、どうなりたいかという本人の意思がすべてを決めるとある。

様々な課題も、それは子供自身が解決すべきことであり、口出ししないという事も、大人は心しなければならない。

以下抜粋(★はGo Globalスタッフのコメント/数字はページ数)
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  • 子供を育て結局のところどんな大人になってもらうかということについてはっきりと常に意識していなければなりません。さもなければ目先の対応に終始することになってしまいます。
    一昔前なら親も教師も「権威」で子どもを従わせようとした。そのころであれば一貫性を欠いた、合理的でない育児、教育も通用したかもしれない。 38
  • 「子供たちが手を膝の上で組んで、静かに座っていなければならず、動くことをゆるされないような学校はもはやない」39
  • 子どもは親や教師を自分と対等である、と考えています。39
  • 育児の行動面の目標として、
    1. 自立する
    2. 社会と調和して暮らせる

    心理面の目標として、

    1. 私は能力があると信じられる(=自分の人生の問題を自分の力で解決することができる)
      ※自信を築く唯一の方法である 43
    2. 人々は私の仲間である(=最初の「仲間」は母親。自分とだけ関係を結ぶことに満足してはいけない。43)
      ということを提示します。40
  • 子どもはライフスタイルを個々の体験の中で形成するわけですから、親や教師は、子どもと接する際絶えず自分の行っていることが、子どもの適切な信念を形成する援助となっているかを点検していかなければなりません。40
  • 人間の性格はそれほど変わりにくいものではない。41
  • ついかっとなって子供をたたいてしまったという言い方をしますが、そういうふうには考えません。
    感情は多くの場合相手にこちらのいうことをきかせようというふうに、相手を動かすために使うのです。
    怒りを使うと相手がいうことを聞くだろうと考えて、怒りをその目的のためにつくりだします。
    悲しみという感情は相手からの同情を引くためにつくりだすと考えます。 49
  • 「普通であることの勇気」
    普通でいる勇気がないので最初は特別よくなろうとし、次いでもしもこれが果たせない場合は、特別に悪くなろうとするのです。63
  • どうすれば勇気をくじかれている子供を勇気づけることができるかを考えなければなりません。68
    褒めるのとは違って、評価するのではなく、喜びを共有すること、自分の気持ちを伝えることは勇気づけになります。
    「ありがとう」とか、「うれしい」とか「助かった」といってみます。
    実際には多くの親がそんなことは当たり前だと思って見逃してしまう事が多いのです。70
  • 人生の課題は原則として本人が解決しなければなりません。74
    例えば勉強は誰の課題かといえば子供の課題です。
    いきなり「勉強しなさい」と親がいうことは、子供の課題に踏み込んだことになり、子供との衝突は避けることはできません。
    他方、子供が勉強をしないことが気になるとすればそれは親の課題です。75
  • 共同の課題にするためには、まず、共同の課題にしてほしいという依頼があり、共同の課題にしようと了承があることが必要です。76
  • 頼まれもしないのに、手出しや口出しをすると、苦境にあるときにはいつでも親が助けてくれると考えて、子供は依存的になってしまうかもしれません。そうなると、自分には能力があるとは思えないようになるかもしれません。
    手出し、口出しをするほうが簡単でしょう。それをあえてしないのです。
    これは放任ではありません。78
  • 必要があればいつでもブレーキが踏めるように構えはしておくが、けれども決して先回りしてブレーキをふまないこと。
    大事にならないうちにと早々に、ブレーキを踏んではないでしょうか。82
  • アドラーはいっさいの罰に反対しました。87
  • 罰したり叱ったりしない一方で、ほめない。89
  • ほめるというのは、能力のある人が能力のない人に、あなたは「よい」と上から下へと相手を判断し、評価する言葉である。89
  • アドラー心理学では、縦の人間関係は精神的な健康を損なう最も大きな要因であると考え、横の対人関係を築くことを提唱します。89
  • 門限があるとすれば、時間は違っても、子供だけではなく大人にも門限がなければなりません。子供にはあって大人にはないとすれば、それは差別の論理です。91
  • あらゆる人との対人関係の中で、横の関係でいられるとすれば自分をよく見せようという努力をしなくていいことになるでしょう。99
  • 大切なことは何が与えられているではなく、与えられているものをどう使うかである。自分という道具をすきになる。100
  • 教育の機能は君たちが子供の時から誰の模倣もせずに、いつのときにも君自身でいるように助けること 102
    (Byクリシュナムルティ 「子供たちとの対話」平河出版社)
  • 足の踏み場もないほどおもちゃを広げていました。母親は叱りつけようとしました。その時アドラーが少年に近づきこういいました。
    「君はおもちゃを上手にだしたんだね。それなら片づけるのもきちんと片づけられると思わないかい?」一分足らずで少年は出したおもちゃを片付けました。109
  • 子供が家庭や学校で自分には居場所があり、貢献しているという感覚を持てるように援助できれば、やがてより大きな共同体へのしょぞっくや貢献感をもてるようになるかもしれません。116
  • 「Aであるから/でないから、Bできない」という論理を日常で多用するということが劣等コンプレックスの意味。134
  • 二つ以上の選択肢があっていずれを行おうかと迷い、決断できないという葛藤という事態をみとめません。
    一見ある行為Aが自分にとって善であることを知っていながらそれを行わないということがあるとすれば、Aが善であることを知りながら行わないのではなく、それとは別の行為Bがその時点で自分にとって善である、と判断しているから。143
  • ある行為を選択する時点でその選択の責任はその人にあります。
    その意味でアドラー心理学は責任を問う厳しい心理学である、ということができます。144
  • 人からどう思われるかを気にしていると、動くべき時に機会を逸してしまうことになります。152
  • 「もし私がお父さんの意見に従ってこの大学に行ったとして、四年後にこんな大学、行かなければよかった、と私が思ったら、その時お父さんは私に一生恨まれることになりますが、それでもいいですか?」157
  • 自分の思いを貫く、あるいは自分の権利を主張するのであれば、このことに伴う責任を引き受ける覚悟がいります。159