GLOCAL(グローカル)
海外に行くと、日本のこと、世界についての意見などを色々聞かれ、「答えに困る……」ということがよくあります。英語が話せるようになるだけでなく、日本のことや自分の意見をきちんと発信できるようになるために、みんなで勉強しようというGLOCAL(グローカル)のコーナーです。
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1月ももう後半。あっというまに2月3日の節分がやってきます。節分というと「豆まき」ですが、なんのために豆をまくのかご存知ですか?
節分は年に4回ある?!
「節(ふし)を分ける」と書いて「節分」。季節の変わり目のことを指すので、昔の人は年に4回、節分を意識していました。2月3日は「節分」ということはみなさんご存知かと思いますが、2月4日は何の日かわかりますか?カレンダーを見れば書いてあるかもしれません。
そう、「立春」です!2月3日の節分は「冬と春の境目の日」ということですね。これからは「夏至」「秋分」「冬至」の日も「節分なんだな〜」と、季節の変わり目を気にしてみてください。
節分の「豆まき」にはどういう意味がある?
冬の間にこもった邪気(=鬼)を追うという意味で、煎った豆を邪気に向けて投げつけます。鬼は外に出て行ってほしいので、玄関から外に向かって投げますね。
昔は追儺(ついな)という宮中の行事だったのが、庶民の間に広まったのだそうです。(コトバンク参照)
ちなみに豆を鬼に向かって投げるのは「年男」「年女」の役割。神が宿る縁起の良い年男、年女が鬼を退治するのです。年男・年女がいない時は、家長がするということになっていますので、「我こそが家長だ!」という人が豆をまきましょう!
投げる豆は必ず煎ること!
煎り豆を買い忘れ、とりあえず保存していた生の大豆を使おうというのは「ちょっと待ったー!」です! 確かに豆には違いないですが、生の豆だと拾い忘れ、部屋の片隅で豆から芽がでてきてしまうかもしれませんよね。豆は「魔の目」という語呂合わせもあり、悪魔の目に豆を投げつけて、悪い気を追い払うという意味があります。
だから豆(魔目)の芽が出てきてしまう可能性がある生の豆はNGで、悪い芽がはえてこないよう、しっかり煎った豆を使うようにしてください。もちろん迷信と考える人もいるでしょうが、こういう意味を知っていればなんとなく、煎りたくなりますね。(笑)
豆のほかにも柚やヒイラギ、焼いたイワシの煙で鬼を追い払う、という習慣が残るところもあるそうです。あなたの地元ではどんな風習がありましたか?
英語では色々な訳がありますが、立春の節分についてわかりやすい訳だなと思ったのは、『江戸の縁起物 浅草仲見世助六物語 [ 木村吉隆 ]』という本にあった「the Last Day of Winter」でした。「冬最後の日」という意味です。
※↓この本、おもしろいですよ!浅草寺にある仲見世通り(お土産屋さんが並ぶところ)にある、「助六」というお店で買いました。助六のおじさんは昔ながらの手作りおもちゃをつくってこの本を書かれたそうです。日本の文化が簡単に説明されているのと、手短に英語で説明したい時に便利な英訳付きです。
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節分行事に行ってみよう!
日本には季節ごとの行事がたくさんありますので、ぜひ行事に足を運んでみてください。自分の目で見て、体験すれば、外国の人への話題も増えますし、一つ一つの経験が積み重なって教養になります。本で読むのと自分で体験するのとでは、雲泥の差がありますね!とはいえあらかじめ知識をもって出向けば、知ること・感じられることがより一層増えますので、やはり読書も欠かせません。
東京浅草寺 節分会
浅草寺では「観音様の前には鬼はいない」と伝えられているため、「鬼は外、福は内」ではなく、「福は内、福は内」というのだとか。こちらの節分会(せつぶんえ)は芸能人が代わるがわる来ては豆まきをするので有名ですね。開始時間などは年によって違うこともありますので、都度調べてみてください。大体は14:30〜16:00ごろのようです。
住所:東京都台東区浅草2-3-1
節分とは本来、立春・立夏・立秋・立冬の4つの季節の分かれ目をいう。立春は旧暦の正月元旦と日が近いため、江戸時代以降は、新年を祝うとともに厄払いを行なう特別な日として、立春の前日が「節分」として定着していった。地方によって違いはあるが、節分の日は豆まきをして悪鬼を払い、撒いた豆を年齢よりひとつ多く食べるとその年は無病息災で過ごせるといわれている。
この節分の行事を江戸で大々的に行なったのは浅草寺が最初である。現在の節分会は年男による豆まきが主な行事となっている。当日、一山の住職と選ばれた年男たちが伝法院から本堂まで練行列を行ない、本堂東側に設けられた舞台から年男たちが豆を撒く。浅草寺の豆まきは、「観音さまの前には鬼はいないこと」にちなみ「鬼は外」とは言わず、「千秋万歳福は内」と発声するのがならわしである。
こちらも有名な中尊寺の節分会。毎年相撲界から力士が来たり、豪華な景品が当たるイベントがあるというので有名です。旅行がてら、節分のイベントに参加してみるのもよいですね。
関山中尊寺春の風物詩 節分会は、歳男・歳女そして大相撲関取を迎え、近隣からも大勢の人が参集し、毎年境内が賑やかです。 特に、節分限定でお頒けする中尊寺伝承『魔滅大師』(まめだいし)護符については、七難を払い、苦難を乗り切るお守りとして大変好評です。中尊寺ご本尊丈六釈迦如来ご宝前において節分の護摩祈祷を受け、魔滅大師の護符を各家の玄関・戸口に貼って吉祥の印とされますようご案内申し上げます。
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
豆は「煎る」「炒る」、どっち?
話はそれますが、「豆をいる」の漢字は「煎る」だと思い込んでましたが、「炒る」と書いても間違いではないそうです。元々は「水分をとばす=煎る」「火で焼く=炒る」なので、意味としては「煎る」でよいみたいですが、最近はどっちでもOKなのだとか。でもやっぱり、「煎る」ですよね。豆とかゴマとか。
日本語を学ぶ外国人からもよく日本語についての質問を受けますが、ちょっとした違いが説明できないことがよくあります……。