
2024年10月~2025年5月、バレンシアの語学学校で勉強し、スペインでの大学進学を実現させたお二人──Kousukeさん(バレンシア大学・法学部)とNaotaroさん(セビリア大学・産業電子エンジニア学部)の貴重な体験をご紹介します!
バレンシアの語学学校で「大学準備コース」を受講
2人が大学受験のために準備をしたのは、バレンシアにある語学学校の「大学準備コース」でした。10月からの数か月はスペイン語の授業をしっかりうけ、1月ごろから大学受験のための教科を学びます。
スペインの大学受験は日本とは少し違い、試験で高いスコアをとった人から順に、良い大学を選んでいくことができます。
語学学校のサポートは「非常によかった」とのこと。質問すれば即回答してくれるし、生活のサポートもしっかり。語学学校を卒業したあともわざわざZOOMをつないでサポートしてくれたりと、とても親切だということです。
サポートの丁寧さは学校によってかなり差があります。生活のサポートがしっかりしていれば勉強に集中できるので、重要な点ですね。
スペインで大学に進学するためには、入学試験をスペイン語で受ける必要があります。しかも、理系文系問わず、科目は本格的な内容です。
日本の授業より深く学ぶ印象で、2人とも、授業以外でもかなり勉強したということです。
スペインの大学はたくさんある中、どのように大学を選んだか。
スペインの大学選びはどのような仕組みになっているのかがわからないと思いますが、どの大学にどんな学部があるのか、いつ、どのように受験申し込みをするのかなど、語学学校が丁寧にサポートしてくれます。
Naotaroさんの場合:理数系→セビリア大学・産業電子エンジニア学部に進学
留学当初は「¡Hola!」しか知らなかったというNaotaroさん。最初の2ヶ月間は語学に集中し、スペイン語での会話力を身につけた上で、本格的な教科学習に移行しました。理系の受験教科は経済・数学・化学です。
「単語がわからないと何も始まらない。特に名詞と動詞の習得が大事だと実感しました」
語彙力を伸ばすために、毎日5〜10個の単語をノートに書き留めて覚えるルーティンを欠かさなかったそうです。
希望学部には入れなかったものの、最終的にセビリア大学で希望の学部があったため、そちらでの進学を選択。現地サポートの手厚さと、生活コストのバランスが決め手となりました。
2024年10月から留学開始し、2025年5月ごろに大学進学が決定しました。
「学校のスタッフが親身に相談に乗ってくれたので、安心して進学に臨めました」(Naotaroさん)
Kousukeさんの場合:文系→バレンシア大学・法学部に進学
スペイン語の日常会話はある程度できたというKousukeさんですが、法律の専門用語には苦戦。教科書の内容を辞書と照らし合わせながら読む日々が続いたと話します。教科の学習は経済、数学、美術の歴史でした。文系でも数学があるのですが、日本で学ぶ数学と比べたらかなり簡単だということです。
バレンシアで友達が多くできたことと、「住みやすさ」を考えて、バレンシア大学を選んだKousukeさん。気候も穏やかで、インターナショナルな学生が多く、学生にやさしい環境だそうです。
「スペイン語が“話せる”と、スペイン語で“学べる”の間には、思った以上に大きな壁がありました」(Kousukeさん)
学校の様子 & 1日の過ごし方
8時半~12時半/9時半~13時半までは4時間の授業があり、間に長めの休憩があります。
授業の後はランチタイム。ランチの後は友達と学校近くのカフェで話したり、勉強したりして過ごしました。授業は午前か午後かを選べます。
語学学校には、モロッコ、ロシア、ウクライナ、カザフスタンなど様々な国の学生が在籍しており、教室は国際的な雰囲気に包まれています。
ただし、出席率が低かったり、母国語でおしゃべりばかりする学生も多く、語学習得には「自主的にスペイン語環境を作る」工夫が必要。
やる気のない人がクラスにいると、自分まで影響を受けてしまうものですが、前の方に座って集中したり、積極的に質問をして自ら学びを深めるなどの工夫をしてほしいと思います。(坂口)
スペイン・バレンシアの生活費と住環境
スペイン・バレンシアでの留学生活にかかる費用は、日本と比べて全体的にリーズナブルです。
首都マドリードやバルセロナでは、もう少し高くなりますが、バレンシアは比較的物価が安く、留学生におすすめの町です。
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家賃(学生向けシェアハウス):360〜400ユーロ(約6〜6.5万円、光熱費込)
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食費や日用品:月5〜6万円
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交通費:学生向け無料制度あり(地域によって異なる)
学生用シェアハウスでは、寝室は約6畳程度の個室。リビングは日本より広々としています。しかし、住む人がきれいに住んでいるかどうかには差があり、Kousukeさんは清潔感のあるルームメイトにあたったためによい環境で住めたそうですが、Naotaroさんのルームメイトは掃除などをあまりしない人たちで、狭い冷蔵庫や害虫、騒音などに悩まされ、一人暮らしに切り替えたそうです。
「スペインの住居は“当たり外れ”が激しいので、入居前にしっかり内見をするのが大事です」(Naotaroさん)
治安は問題なし。バルセロナよりも安全
治安については、KousukeさんもNaotaroさんも「治安が悪いと感じることはなかった」という意見で一致。バルセロナのように、観光客がそれほど多くないのがよいのかもしれません。
ひったくりや置き引きには注意が必要ですので気を付けてはいるものの、日本と同じような感覚で暮らすことができます。
スペイン留学生活における注意点
日曜に店が閉まるのは要注意!
また、日本と大きく違うのは日曜日にほとんどの店が閉まること。食事時間も遅めで、昼食が14時、夕食が21時というのも一般的です。
銀行でカードを使うときは「すぐにカードを取り出すこと」!
銀行のATMで用事を済ませ、カードが出てきたらすぐに取り出すこと!スペインに限りませんが、カードが出てきているのに一定時間取り出さないと、安全のためか、カードが中に戻っていってしまいます。
こうなったらカードを救出することは不可!銀行に行っても返してもらえないそうで、警備会社が金庫をあけるときにしか取り出せないうえに、一度入るとカードが無効化されてしまいます。
Kousukeさんは一度カードが取り込まれてしまった経験があったそうですが、予備のカードがあったので生活に困ることはなかったとのこと。なんでも「予備」を持っておくことは大切ですね!
スペインでの日常生活について─銀行口座、SIM、送金事情
海外での生活では、細かいインフラの整備も重要なポイントです。
銀行の口座開設
スペインでの銀行口座開設は、時間がかかる上に、言語面で手間取ることも。在留カード(TIE)を入手したら、なるべく早めに銀行に行きましょう。
日本からの送金方法:WISEアプリ
「WISE(ワイズ)」というアプリがとても便利。手数料も安く、日本からの送金がスムーズにできる便利ツールです。スペイン留学に限らず、海外に長期滞在する場合はこのWISEが不可欠です!
スペインでの携帯電話・Wifi・SIM事情
日本からSIMフリーの携帯電話を持参し、SIMを差し替えて使います。50Gで月10ユーロ(約1700円)程度と、日本よりは安い印象です。
Vodafoneのお店で、毎月プリペイドで払います。オンラインでも払えるようですが、払い忘れると使えなくなるので要注意!
ただし、携帯電話を現地契約するまでは何かしらの方法でWifiをつなぐ必要があります。特に、日本からスペインに旅立ち、スペインに到着した時にドライバーや学校と連絡が取れなければなりませんから、最初の1週間はeSIMを契約しておくとよいでしょう。(坂口)
スペイン留学中に役立つアプリ
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Google Maps
言わずと知れた、Googleマップ。マップの便利な使い方もあらかじめマスターしておきたいものですね。 -
ChatGPT
授業でわからないことを理解するために、ChatGPTはなくてはならない存在!
試験対策にも不可欠で、例えば数学の問題を生成したり、スペイン語の試験の前には例題を作ってもらったり、「この問題の模範解答を考えて」などという使い方もするそうです。 -
バレンビッシ(自転車シェアレンタルアプリ)
これまで、30歳以下の場合は交通機関が無料だったのが、今後はシステムが変わってしまうとのこと。引き続き「割引」はありそうですが、バレンシアの街中は自転車が便利。購入せずに、シェアアプリを使ってレンタルするのが賢いようです。
留学を終えての振り返り──もっと準備すればよかったこと
「スペイン人の友達をもっと作っておけばよかった」というのはKousukeさん。海外からの留学生とはたくさん交流がありましたが、地元の人との接点が少なかったそうです。
また、「受験勉強が想像以上に大変だった」と振り返り、「語学学校の期間をもっと長くとるべきだった」とも。できれば大学準備コースの前に、語学コースを半年ほどとっておくといいかもしれません。
最後に──スペイン留学は人生の財産になる
「人と違う経験することで新しいスキルも磨ける。良い決断をした!」(Naotaroさん)
「この道しかなかったかもしれないと思う」(Kousukeさん)
というお2人は、一歩を踏み出す勇気と、自分なりに困難を乗り越える力を持っているように思います。
日本とは全く異なる教育環境や文化に飛び込み、自分の力で未来を切り開いた二人の挑戦。スペインでの学びと暮らしには、教科書では得られないリアルな価値が詰まっています。
これからスペイン留学を目指す人の力になってくれるということで、ぜひまたそのご経験を共有いただきたいと思います!(坂口)
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