着物の着方を学びましょう!-GLOCAL

いよいよ着物の着方です。
こちらも文章で読むよりは動画で見たほうがわかりやすいと思います。

動画で学ぶ!着物の着付け方法

By 和装研究科 山内沙織先生(着付け教室ofune)

着物の着方解説~下半身から整えます

着物はまず下半身からきっちり着つけを仕上げていきます。
① 着物を羽織る 右→左の順番で腕を袖に通す

② 背中心(せちゅうしん)と衿先(えりさき)を持って中心を合わせる

③ 長襦袢に沿って着物を合わせ、えりをクリップでとめる
※背中心では少し衿と被り気味に、耳下で着物と長襦袢同じ高さになるように

④ 背中心(背縫い)と地えりの真ん中あたりを持って裾丈(すそたけ)を決める
※床すれすれくらいの長さが目安です。

⑤ 地えりの方の手を前方に引いて背中心の手を離す。このとき着物がお尻にフィットするようにしておきましょう。

⑥ 左手で上前(うわまえ)を持って、出来上がりの身幅(みはば)を決めます。このとき、常に前方向に着物を引っ張る力を緩めないことがきれいに着るコツです。
※脇縫いは太ももの横に、衿下(えりした)は太ももを隠すくらいが目安です

⑦ 右手で下前(したまえ)を左サイドに巻き込んで入れる

⑧ 左手の上前(うわまえ)をそのままかぶせる

⑨ 右腰脇をおさえながらヒモを持ち、ヒモを体に押し付けながら左腰脇までもっていく。クロスしたらひと締めし、元の右腰脇に戻る(この時ヒモの長さが一緒になっているように)

⑩ 右腰脇に戻ってきたヒモを2本どりにして左右に分けてねじり、腰ひもにしっかりとひっかける。後ろから見た時タイトスカートのように下すぼまりになっているときれいです。

着物の着方解説~次に上半身をきめていきます

上半身はお顔周りで目立ちます。えりの部分がはだけてしまうとみっともないので、えりがぴったり決まること、そして首の後ろ側がこぶし1つぶん程度空くことを意識してください。

① 脇下にある穴、身八つ口(みやつぐち)。ここから両手を入れて背中、おなか周りにだぶついた着物の生地をトントンと下方向に整え、しわを伸ばします。

② えりの空き具合をここできめる。若い方は60度の角度で、大人は30度から45度が上品に見えると言われています。えりの形は印象を左右するのでしっかり考え、角度を決めましょう。

③ 下前(したまえ)を左の胸下から右胸へ向かって三角に、斜めにおりあげます

④ 左手で左胸下で折りあげた場所を上前でかぶせ、ヒモを当てて右胸のしわを取ります。右手は背中までヒモをつたって後ろ側までいきましょう。

⑤ 左手は着物をしっかり圧力をかけておさえたままにしながら、脇を通り背中の後ろまで手を持っていきます。

⑥ 背中心で両手が出会ったらヒモをクロスさせてて真横にひと締め

⑦ 両手を一段おろして背中にバッテン(×)を作った後、両手を前へ持っていき2回締めて片蝶結び(かたちょうむすび)。その後あまったヒモはくるくると元のヒモにからげて見えないようにしておきます。

⑧ 身八つ口(みやつぐち)の後ろ身頃(うしろみごろ)に親指を入れ、指で着物をつかんで両手で前に引きます。

⑨ 身八つ口(みやつぐち)の前身頃(まえみごろ)で、後ろ身頃を隠します。

⑩ 腰回りの「おはしょり」が床と平行になるように整え、しわも伸ばしておきます。

⑪ 伊達締めをしっかりと結んでしめます。

⑫ 背中にしわがないか、えりの中心と鼻、あごが一線上にまっすぐあるか、下前が動かないようしっかり留まっているか、衣紋(えもん)*が握りこぶし1つ分あいているか等、ここで全体を見てチェックします。 *衣紋とはクビ後ろのえり部分のこと

着物の名称

上記を読んで「専門用語がわかりづらい!」と思われたかもしれません。どんな解説を読んでも聞いても専門用語は出てきますので、これを機会に覚えておきましょう。

背中心(せちゅうしん)・・背中にある中心線(縫い目がある)
身八つ口(みやつくち)・・脇下にある着物の穴のこと
前身頃(まえみごろ)・・着物の前半分のこと
後ろ身頃(うしろみごろ)・・着物の後ろ半分のこと
おはしょり・・帯を締めた時、帯の下側に出る着物の部分
着丈(きたけ)・・首から足先までの着物の長さ
袖丈(そでたけ)・・袖の長さ
裄(ゆき)・・首の中心から肩・腕・袖までの長さ